自分に出来る事なんてたかが知れてます。
私から出来る事なんて一握りです。
全てを知る事なんて出来ません。
知り得る術だってありません。
私から能動出来る事なんて、無いんです。
私が知っているのは「私が知っている事」だけで、
私に出来るのは「私に出来る事」だけなんです。
だから、私が知らない事は知る事が出来ません。
私に出来ない事は出来ません。
だから、何もしません。
求められる事の無い限り。
必要とされる事の無い限り。
何も分からない人間が、どれだけ門違いな慰め文句を言ったところで、
救われる事はありません。
よくも知らない人間が、どれほど安っぽい言葉で慰めたって、
気休めにすらなれないんです。
もしもそんな言葉ですら求められるとするならば。
剥げた塗装を取って付けたペンキで塗り固めた様な、
ハケの掠り跡も見えてしまう程の見え透いた台詞ですら欲せられるとするならば、
藁をも掴むと言うのなら。
それでその人を救えるのはきっと、
その人の心の枷となっている、その人一人だけなんです。
だから何も言えません。
掛ける言葉がありません。
言葉が見付かりません。
言えない時は、何も言えないんです。