後輩に、26年前の震災を経験した方が居ます。
自宅やご実家が営んでいたお店は全焼したそうですが、
避難先の学校では「子供達が少しでも楽しめる様に」と、
ご両親は当時4歳だった彼女と3歳だった妹さんに即席のお風呂を作ってあげたそうです。
洗面器にお湯を張った、子供用の小さなお風呂。
「プールみたいで凄く楽しかった。
ママ達が私達の事を沢山考えてくれたから、避難所の生活を「苦しい」と感じた事は一度も無い」
「私はこの先何があっても何処に居ても、ママと〇〇ちゃん(妹さん)だけは守るから」
彼女の結婚式の時、お二人の目を見て確かに告げられた彼女の涙声が忘れられません。
76年前の戦火の日を語り継いで下さる人が居ます。
26年前の煙の臭いを忘れずに生きる人が居ます。
10年前の絶望の先で笑っていてくれる人が居ます。
そして今この時、ここで生きている人が居ます。
今と言うこの時代は、痛みや差別や暴挙や不条理を知って来た先で先人達が託してくれた【平和】です。
そして今生きていてくれる全ての方は、
只一人の例外も無く「苦しみ」や「葛藤」と一緒に生きていてくれる方々です。
街中で見掛ける誰もの笑顔は、
不安や傷付く痛みと居てくれる方の笑顔です。
そうした人達が、今と言う時代の中で笑って生きてくれている。
それって【励み】以外の何物でもないと思うんです。
先人達が活かしてくれた物の先で私達が生かされているのと同じ様に、
自分達が生かされた先で引き継がれて行く時代が間違い無くあるんです。
活かされて行く時間は、この先も変則無く続くんです。
やり難さも生き辛さもあるこの時世の向こう側で、安定していく平穏があるのと同じ様に。
今こうして此処で生きる事が、
その中で笑い合える私達が居る事が、
「幸せだ」と声を大にして言える人が居る事が、
この先の【生きる力】として引き渡されて行くのだと信じています。
戦争や災害、秩序と変革を繰り返して、【平和】は進化し続けて来たんですから。