親元を離れてから今まで
さほど自分の誕生日を特別視した事はありませんでした。
その日その日が奇跡だし、
「特別」が連なって「日常」と呼べる日が来るのだし。
一生の内の【一日】は一日しか無いのだし。
だから24時間で間仕切られた【一日】という区域は【一生】と同義で、
「一日は一生」という認識でこれまで生きて来たからです。
だからつい先日までは、
自分の誕生日を認知して下さっていた方は家族を含めたほんの一握りだったと思いますし、
もしかしたら一桁だったかも分かりません。
だけどいざその日になって、
インスタにストーリーを挙げて下さる方々が居て、
DMやLINEでメッセージを送ってくれる方が居て、
配信を介して、一生の内の【今】しかないその時間を、私に下さる沢山の「人」が居て。
あんな盛大に祝って頂けてしまったら
あんなに真っ直ぐ「おめでとう」と言われてしまったら、
祝福に囲まれてしまったら
優しさ以外に受け取れなくなってしまったら、
何かもう、誕生日を【特別視】せざるを得なくなってしまいますね。
自分の産まれた日を、【特別な日】にせざるを得なくなってしまいますね。
ここまで生きる事が出来たのは、
「生きたい」と思える環境があったからです。
【私】という価値を見てくれて、
私を取り囲んでくれる【支え】が在ってくれたからです。
だから私はまた一つ、命を掴む事が出来ました。
また一つ、永く生きる事が出来ました。
日は少し過ぎてしまいましたが、改めて。
父さん、母さん。
産んでくれてありがとう。
生きる切っ掛けをくれて、本当にありがとう。
私に【私】を辿らせてくれた何もかもの連なりも、
ここまで私の命を繋いでくれた沢山の方の人生も、
たったの一秒でも只の一人でも足りなかったら、今の私は居ませんでした。
「ここ」には生きていませんでした。
同じ【今】なんて二度と無くて、
一瞬一瞬が奇跡の連続で、
その奇跡の連続の中に【私】を置いてくれているから、
私は32年間、この世に踏みとどまれています。
