キツツキゲーム

後悔は気付き。 気付きは教訓。 教訓は学び。学びは成長。

後悔も気付きも傷付きも、
すべては自分を豊かにしてくれるゲームである。

75年前。この国で一番理不尽で暴力的だったあの日の向こうで こんなに素晴らしい国が出来上がったんです。


今年でこの国は戦後75年目を迎えます。 


まだ一世紀にも満ちていない

ほんの75年前まで、

この国では沢山の人が失われました。




硝煙の香りを身近に感じながら

警報音に耳をそばだてながら

爆風に撃たれながら

火炎に追い立てられながら。



そしてこの国には原爆が落とされ


「被爆者」という言葉が生まれました。



平々凡々な生活が一変しました。

穏やかな日常が様相を変えました。

昨日も今日も普遍的で、


明日もこれからもそうであって良かった筈の人々の暮らしが、


一夜にして空を堕とす勢いで転落しました。



かなぐり捨てる様に

坂を転がり落ちる様に


人の手で、この国は焼かれました。

草の根も張れぬ程に。



75年後の今を私達は生きています。


当たり前に生きています。



学校で学び

娯楽に興じ

親に愛され

今日も沢山の命の上に生きています。


生きる事を許されている。

生かされ続けている。


国の為に命を差し出す感覚を、私達は知りません。



知る術もない。

"知るべきではない"


それはこの先も、ずっと。



75年前の日本も

75年後の日本も

今から100年後の日本も


途絶えた事は一度も無く

途切れる事も無いのでしょう。


今も昔も、この国の歴史は地続きです。

この先も連なるばかりです。




どうすれば実感出来るのでしょう。



どうやって噛み下せば、

先人の血潮と息吹を自分の骨肉にする事が出来るのでしょう。


75年前のしがらみと共に直向きに生きる人々が居ます。


被爆者と、その御子息の方々です。

彼らは今も尚、硝煙の中に居ます。



戦争がおざなりに取り残した残滓と共に、

今この瞬間も懸命に"生きて"おられます。


戦争は燻ります。

時間は引き継がれます。


今も昔も、この国の歴史は地続きなんです。



75年前の戦争も

9年前の災害も

未だに

今になっても尚


理不尽な偏見や不条理な差別は粘着質に尾を引いて

いつも私達の隣に張り付いては影を落とし続けます。


それでも私達は生きています。

職を与えられ

布団で眠り

朝になれば目を覚まします。


当たり前に生きています。

生きる事を許されています。



戦時中の弾雨の中でも

戦後の枯れ果てた地表の上でも

9年前のあの日の空の下でも


私達のご先祖様は

私達の祖父母達は

そして私達は


懸命に生きて来ました。

懸命に堪え忍んで来ました。


偏見だってありました。


心無い言葉だって浴びて来ました。




それでも堪えて来たんです。

堪え続けて来たんです。


広島や長崎の復旧の向こう側

福島や岩手の再興の先で

私達は生きています。



歯を食い縛り、持ち堪えながら

今も昔も、私達は生きて行きます。


どれほど理不尽な惨禍の中でも

辛抱強く堪え忍んで来たんです。

"あの日"からの甦生と共に。



私達は何度でも復興します。

幾らでも心を持ち直します。




だから今も堪え忍びましょう。


あの日だってそうでした。



75年前、

この国で一番理不尽で暴力的だったあの日の向こうで

こんなに素晴らしい国が出来上がったんです。


会いたい人に会えて

好きな人に「好きだ」と伝えられて

叶えたい夢を志せる素敵な時代に私達は生きているんです。



9年前、

抗い切れない絶対的な力に故郷を奪われ、


大切なものを根こそぎ奪い去られた悲しみと悔しさばかりだったあの日から、


私達は今日まで堪え忍んで来ました。


生きて来ました。

そして笑える様になりました。

泣ける時間を与えられました。


悲しみや苦しみの先で、私達は生きています。



きっとまた、会いたい人に会えます。

好きな人に「好きだ」って伝えられます。

行きたい場所にならどこへでも行けます。

大きな声で笑えます。

誰かの隣で泣ける日が来ます。

故郷にだって帰れます。

夢を志し続けられます。


だから、大丈夫です。

絶対大丈夫なんです。


大丈夫に決まってるんです。


今迄だってそうでした。

戦争の惨禍でも

災害の空の下でも

私達は我慢して、持ち堪えて来たんです。


過去の苦難を今日の杖にして

皆で今を生きましょう。


私達は同じ脅威の中に居ます。

離れていても繋がっています。

一人なんかじゃありません。

上を向こうなんて言わないから、




堪え忍びましょう。






ブログランキング・にほんブログ村へ