きっと貴方が死んでも世界の大多数は知る由も無いのでしょう。
貴方一人命を断った所で、
明日もどこかで知らない誰かが死ぬのでしょう。
貴方一人消えた所で、
世の中は碌に変わりません。
貴方一人失せようと、
貴方を殺した社会はきっと明日も平和です。
貴方一人死に失せて世界が変わるのは、
それまで貴方の傍に居た人だけです。
貴方の遺影を見て自分を責めるのは、
貴方を追い詰めた社会では無く今日まで貴方を支えた人です。
貴方の遺骨を拾い、自分の力ではとても及ばない痛ましさに泣くのは、
その直前まで貴方の大切だった人です。
自分の命を断つとは、
それと同時に愛する人をその手で殺める事です。
死ぬよりも辛い明日を歩かせる事です。
大切な人を生涯悔やませる事です。
死にたくさせる事なんです。
それでも死を選ぶ貴方は、
その人を一生を支える事など出来ません。
だって死んでしまっているんですから。
貴方に矛を向けた方達は、
きっとこれから先も楽しい出来事が沢山待っている事でしょう。
貴方を苦しめた方達は、
今日も誰かを笑顔にし、
誰かにとっての大事な人で在り続ける事でしょう。
だってその方達は生きているんですから。
そうしてこれからも生き続けて行くんですから。
死んでしまった貴方はもう誰も笑わせる事も出来なければ、
貴方の大切な誰かにその笑顔を見せる事も叶いません。
だって、もう居ないのですから。
事切れてしまえば、残るのは憐れみばかりなのです。
手も足も出しようが無いのです。
死ねば花実は咲かないのです。
だから敢えて残酷な言葉を使います。
つらい言葉を送ります。
どうかお願いです。
死なないで下さい。