授ける言葉も与える助言も
こちらから手渡せるものはいつだって、
自分から見える分だけの可能性と選択肢だけです。
与える側に決定権はありません。
決めるのは、どこまで行っても本人です。
本人の意思でなければまるで意味を成しません。
自分には、相手の人生の選択権は担えません。
自分から相手へ提示する事が出来るもの。
それは「正解」でも「不正解」でも、
「正しさ」でも「間違い」でも有りません。
況してや「善」か「悪」かを説く事でも有りませんし、
「好き」や「嫌い」を論ずる事でも無いんです。
相手の机上へ差し出す事が出来るもの。
そこに在るのは只々「自分の意志」なんです。
自分が自分に納得出来る、
自分の筋を通した言葉しか言えないんです。
人には人の筋道を作る事は出来ません。
見る事も知る事も適いません。
人が人へ伝える事が出来るのは
与える事が出来るのは
自分の筋道だけなんです。