「幸せになりたい」ってずっと思ってて。
「いつか誰かに幸せにして欲しい」って願ってた。
だから、私の手で誰かを幸せにしてあげたいって心から願ったのは初めてで。
「この人を支えたい」って素直に想えたのも初めてで。
こんな感情を自分が持っていたなんて、知る由もなくて。
自分自身にどうしようもなく驚いて、それはちょっと俄には信じられないくらいで。
でもそれまでの、どんな感情よりも温かくて優しい気持ちだったから、それが堪らなく嬉しくて。
その時、「私はなんて幸せ者なんだろう」って思った。
純粋に誰かの幸せを願える自分が誇らしかったし、愛おしいとも思えた。
私は、誰かに必要として貰えたり、
「ありがとう」って言って貰えたり、
笑わせて貰える私が好き。
私の為に誰かに叱って貰えたり、
心配して貰えたり、
傍にいて貰える私が好き。
形は様々だけど、嫌になる事だって沢山あるけど。
でも結局は、誰かがちゃんと見てくれてる私が好き。
自分の事が嫌いな人は沢山いる。私だってそうだった。
でも、本当に自分が嫌いだったら、誰かに心無い言葉を投げ掛けられて傷付いたりはしないでしょう?
友達が出来て一緒に遊んだり、誰かに恋したりなんてしないでしょう?
出掛ける時、わざわざお洒落なんてしないでしょう?
「自分のここが嫌い」って思って自己嫌悪に陥ったりもするし、偶に死にたくなる時だってあるかも知れない。
でもそれでも、どうか友達でも家族でも恋人でも、先生でも近所のおばちゃんでも、
【どこかの誰かに好きでいて貰える自分】の事だけは、
好きでいてあげてほしい。
「自分が嫌い」って言って、 【こんな自分でも好きでいてくれている誰かの気持ち】まで、どうか否定しないであげてほしい。
そうすればほんの少しだけ、見える景色が変わってくる筈だから。