役者さんの台詞でも同じ様な事が言えるのですが、
同じ台詞を何度も言っていると【慣れ】が出て来てしまうと言われる事があるんです。
何度も繰り返し言っている【言葉】は飽きてしまうと言われる事もまた然り。
だけど同じ【型】を口にする度に新たな発見をして行けるのが言葉でもあると思うんです。
だってその時々の感情や関わりや環境によって、
同じ台詞でもそれを裏付ける【背景】や【縁取り】や【距離】や【画角】って変わって行くものだと思うから。
そうしたカメラの「スイッチング」を行う度に、
見える面が増える度に、
言葉もまた研磨されて【面】を持って、【一粒の意志】となってゆく。
人生や人の多面と同じで、
言葉も歌も【宝探し】みたいなものなんです。
だからこそ言葉や歌は歌い手や語り手と共に成長して行けるものであって、
「語り継がれ」も「受け継がれ」も「引き継がれ」もして行ける。
その時々の変動に寄り添える【不変的な言葉】がきっと、
歌や物語なのだと思うんです。