喜びを感じた時
穏やかな時間を知った時
幸せな瞬間に気付いた時
いつか失う日を考える。
いざその日を迎えて頭を過るのは
胸を掠めて去っていくのは
もっと＂幸せ＂でいればよかったという、
行き場のないやるせなさ。
もっとあの時を噛み締めていればよかったと。
それだけを見ていればよかったと。
脇目も振らず余所見もせずに、
もっとそれだけを見詰めていればよかったと。
本当は失う事の怖さより、
今在る幸せを優先させるべきだった。
失わない為の努力に、心を砕くべきだった。
そしてその度に思い知る。
明日にならなければ果たせない約束よりも、
今日出来る行動の方が余程大切だったこと。
角度を変え形を変えて、幾度となく気付かされる。
未だ起きていない、
これから起きるかどうかも分からない。
そんな不明瞭で未確定な不安より、
今在る確かな現実と、
実体が在り実存する、
紛う事なき事実と実情に、
もっと向き合うべきだったこと。
知ってくれないなら、知ってくれるまで教えるしかない。
気付いてくれないなら、気付いてくれるまで呼ぶしかない。
昨日には戻れない。
明日じゃ遅過ぎる。
今じゃなければ伝わらない。
今じゃなければ意味がない。
鉄は熱い内に打つものだから。
冷めてからじゃ、形もまともに変えられない。
今やる事にどんな価値があるかなんて
そもそも意味があるかなんて
そんなの誰にも分からない。
それでも結果なんてものは、後から幾らでも着いてくる。
重ねた先でやって来る。
だから今以上に大切な時なんて、
きっとどこにも存在しない。
出来るか出来ないかじゃない。
大切なのは、そこじゃない。
どうせ後悔する日が来るのなら、
どうや悔やむ日が来るのなら、
やらずに後悔するよりも
やって後悔した方がいい。
どうせ同じ後悔なら、
言わずに後悔するよりも
言って後悔した方がいい。
