一生の後悔は何かって言ったら今思い浮かぶのは、
つかこうへいさんの監督作品を観に行けなかった事なんですよね。
観に行く人生を選ばなかった事なんですよね。
石原さとみさん演じる沖田総司が見たかった。
黒木メイサさんが主演を張られた飛竜伝を観劇させて頂きたかった。
幕末純情伝、熱海殺人事件、飛竜伝、蒲田行進曲。
あの方の熱量を生で拝見していたら、
身を以て体感する時間を自ら選んでいたならば、
時間を充てていたならば、
それを選ばなかった今の私には到底存在すら悟れない、
価値観、人生観達が紛いもなくこの身に脈動していたんだろうな。
只その一方で思うのは、
もしもあの方の作品を観覧させて頂く機会を選び取っていたのだとしたら、
今出会えている方々に出会えない世界線を歩んでいたかも知れないという事。
そしてその次元を頭で展開するだけで、
その並行世界が今の自分には溜まらなく恐ろしい世界に感じられてしまうという事。
そう考えた時、今自分が選び抜いたこの瞬間が、
今ここに生きる人生こそが、
一寸の違いも無く最善最上の最高傑作である事に間違いないと、
そう呼ぶ以外に有り得ないと、
疑う猶予も許す事無く断言出来てしまうんですよね。
後悔すらも【最上】の内。
人生は常に最善の状態でしか進まない。
そしてその【最善】の伸びしろを引き上げるのは、
自分が選ぶ自分以外に在り得ないんです。